■後藤真希の妹分
加護亜依。加入してきた時に教育係として指導した。「でも今じゃ、向こうが親分だと言ってま
す。よくカラオケとか遊園地に誘ってくれるんだけど、いつも当日なんです」
■金髪13歳衝撃デビューから6年
金髪13の歳−−。
後藤真希(19)の登場は、日本アイドル史の一つの”事件”だった。
あれから6年。
モーニング娘。を卒業し、今年20歳を迎えるトップアイドルは
NHK大河ドラマ「義
経」で”黒髪のヒロイン”を演じる。
ハロプロ史上初の大河挑戦。意気込みを聞いた。
(阿部 公輔)
この日の後藤は、金髪でも黒髪でもない。軽やかにはねたポップヘア。「ふわっと巻いてみよ
う!って思ったんで」とご機嫌だ。
「髪形は結構変えますね。気分は変わりますよ。男っぽくなったり、女っぽくなったり、ずっと
ロングだった時にいきなりショートにしたら、失恋したんですか?って」と大笑い。
大河ドラマでは
滝沢秀明(22)演じる「
義経」の異父妹で、時代に翻ろうされながらも強く生
きる”黒髪のヒロイン”能子(よしこ)を演じる。時代は安平〜鎌倉。着物は重いし、かつらの
髪はとにかく長い。
「これが似合ってんだか、似合ってないんだか・・・。母親は私の写真見て大笑いしてました
から。見ちゃ笑って、笑っちゃ見てるみたいな。しかも“気にしないで大丈夫!見てる人の目も
慣れてくるから”だって。ひどいですよね。」の言葉に思わず大爆笑。ちょっと憂いのあるイメ
ージとは正反対のサッパリしたキャ
ラクター。家で掃除する時も「あまり考えず何でもポンポン
捨てちゃう」 。
そんな後藤が、ずっと拾てられないでいる物がある。小学校1、2年生の頃に買った金属製の”
呼び鈴”だ。
「当時、音楽の先生がいつも呼び鈴を鳴らして号令をかけていた。そのベルがすごい可愛くて
、自分も鳴らしてみたかった。そんな時、ディズニーランドへ行ったらこれが売ってて、先生に
あげようと思って買ったんです。ためたお小遣いで。でもこれね、よく見たら栓抜きだったんで
す。先生にいきなり栓抜きあげたら、なんて思うだろうとか考えたら渡せなくって…。ショック
でした」
笑いながら明かすと、鈴を鳴らした。軽やかでどこかはかない音。「捨てられないまま、よく
持ってたなあ。自分でも不思議です」と大きな瞳で遠くを見つめた。憂いのある表情。これがや
はり、もう1つの素顔だ。
小学校の時に父を、一昨年には祖母を亡くした。その時の思いを淡々と明かし、思い出話では
時折笑顔をみせた。
実家は都内の飮食店。兄弟4人に甥(おい)っ子、姪(めい)っ子ら9人の大所帶。「犬と猫に
メダカも。にぎやかですよ。うるさい!歯ァ磨きなさい!ってしょっちゅう怒鳴ってます」と楽
しそう。
どんな質問にもはっきり答え、さまざまな表情を見せてくれる。正直で、強い人である。
時代に翻ろうされながらも毅然(きぜん)と生きた時子とは、そんな強さが似ているかもしれな
い。
「あまり史実に残ってない人だからキャ
ラクターも收録しながら固めていくみたいで、そこも
難しいなって思ってます。でもね、この女性は謙虚でいい人だと思うんです。切ないけど、きっ
と素敵な人です」台本を読んで、感じるところがあったのだろう。幼い頃から感性が豐かで、頑
張り屋で、敏感だった分、いろんな経験の中で強い冷静さを身につけたのかもしれない。「モー
ニング娘。を受けたのはなぜ?」と尋ねたら「合格したらすぐデビューできるから」と答えた。
いたってシンプル。妙な飾りはしない。好きな言葉も「ふつう。」だ。
「でも、やめようかなって思った時あったんです」と明かした。モー娘史上、単独加入は後藤
だけ。グループ内での競争もある中、結局を誇る女の子の輪にたった1人で飛び込むのはかなりの
試練だったはずだし、自分だけ振り付けを知らないため短期間で大量の歌と踊りを覚えなければ
ならなかった。本番前日に13時間踊りっぱなしの猛稽古もあった。「1人ぽっちでホテルに泊まっ
て、1人で電車で移動して、練習して。でもそれがあったから今がある。1人でよかったって思う」
支えてくれたのはファン。「心強かった。応援してくれる人がいるから、私もここにいていいん
だ、歌っていいんだって確認できた」という。 誰かの思いが星を輝かせた。
振り返ると、思い出の呼び鈴は「初めて誰かに買ってあげようと思った物」だった。渡せなか
ったけれど、捨てられない心の光だった。
♪…料理は大好き。「何でも作るけど、洋食の方が多いかな。ハンバーグ、グラタン、オムレツ、
ケーキ、クッキー…」と得意メニューを拳げたらきりがない。もうすぐ訪れるバレンタインデー
は「メンバー同士で交換し合ったり、スタッフにあげたりとかして」。 そうなると気になるのは
好きな男性のタイプ。「私のことをちゃんと一番大好きでいてくれる人がいいです。あとの細か
いところはしようがない!」とキッパリ。
♪…金髪の13歳の衝撃が強かったせいか、学校でも授業中に独り窓から校庭を眺めている勝手な
イメージがあった。「な〜に言ってんですか!私、こう見えてもまじめなんですよ。勉強好きだ
ったし、成績もよかったし」というからビックリ。小学校時代は「
暴れん坊将軍とか
水戸黄門を
見てた」というからさらに仰天。
5歳の頃。保育園の盆踊り大会で。親や友達に囲まれてとっても楽しかった。
疲れた…。^^;